「FIREを目指したい。でも、自分がどれくらい近づいているか分からない」
これは、FIREを志す多くの人が最初にぶつかる壁です。特に、生活の質を大事にしながらも、浪費癖や将来への漠然とした不安を抱えている人にとって、「自分のFIRE達成率」を数字で把握することは、大きなモチベーションになります。
この記事では、FIRE達成率の算出方法と、家計のキャッシュフローを“見える化”する具体的な仕組みを解説します。自分の“今”を正しく知ることで、未来の選択肢はもっとクリアになります。
FIRE達成率とは、簡単に言えば「FIREに必要な資産額に対して、現在どれだけ到達しているか」を示す指標です。以下の式で算出できます:
FIRE達成率(%) = (現在の金融資産)÷(年間支出 × 25)× 100
ここで使われる「25倍」は、4%ルール(資産の4%を年間支出として取り崩しても30年以上持続する)に基づいた計算です。
あれ?「年間支出 × 25」って決まってるけど、人によってはもっと支出が変動したり、年齢によって必要額も変わるんじゃないですか?25倍で本当に大丈夫ですか?
良いところに気づいたのう。実際、25倍は「ざっくりFIREを目指すなら」の基準じゃ。子育てや介護、住宅ローンなど特別な出費があるなら、その分は上乗せして計算するのが妥当じゃよ。細かくシミュレーションすれば精度はもっと上がるが、まずはスタートラインに立つための“共通のものさし”として使ってみるとよい。
4%ルールについて詳しくしりたいんじゃったりこれを見るとよいぞ。
→ FIRE達成率 = 300万 ÷ 6,000万 × 100 = 5%
たった5%?と思うかもしれませんが、ここが出発点です。重要なのは「今の位置」を把握し、積み上げを“見える形”にすること。
FIRE達成には、**「収入 - 支出 = 投資余力」**を最大化することが不可欠です。これを継続的に把握するには、家計の“見える化”が必要です。
FIerlyでおすすめしているのはGoogleスプレッドシートで、毎月「収入/支出/現在の資産額の4%」を記録して、チャートにしていく手法です。 これをすることで収入に対して支出がどの程度か。支出に対して、現在の4%ルールで賄える投資収益がわかります。
下記のチャートは実際にFIerylyが長期コンサルティングしているNさんがGoogleスプレッドシートで管理している実際の家計キャッシュフローです。
ちなみにNさんはこんな方です。
下記はNさんの「収入/支出/現在の資産額の4%」の推移チャートです。
赤色の折れ線の平均であるオレンジの線が平均支出で、緑色の線が4%ルールで安全に取り崩せる額なので、これを見るだけで現在のFIRE達成率がわかります。 また、緑色の点線は現在の資産変化の延長線が将来にもあると仮定した場合の予測線です。
緑色の点線が月の支出額を上回れば完全なFIREですので、Nさんの場合ライフステージの変化(家族の増加や住宅の購入など)がなければ、 2030年ごろには緑とオレンジ線が交差し、FIREが達成されることになるでしょう。
可視化の次は、定点観測です。FIRE達成率は月1回の更新をルール化すると効果的です。スプレッドシートで記録するのもよし、可視化ツールのスクショを保存するのもよし。
毎月のチェックって面倒くさくなって続かない気がするんですけど、習慣化のコツってありますか?
まさにそこが勝負どころじゃな。カレンダーにリマインダーを設定したり、毎月1日を「自分の未来チェックデー」と決めたりするとよい。あと、FIRE仲間と月次報告し合うのも、かなり効果があるぞ。
「増えている」「支出を抑えられた」「達成率が1%上がった」「少し緑とオレンジ線が近づいた」――この小さな成功体験が、長期のモチベーションになります。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
FIREは、いきなり大きな資産を築くものではなく、「習慣」と「可視化」の積み重ねで近づいていくものです。
FIRE達成率という数字は、時に厳しく見えるかもしれません。でも、それは「今ここ」にいる自分への地図であり、未来への羅針盤でもあります。
少しずつでいい。今月の達成率が「5%→6%」になっただけでも、それは確かな一歩です。
次の月、次の年、自分がどこまで進めたかを確かめる――そのために、今日から「見える化」、始めてみませんか?
引き続き、一緒にがんばっていきましょう。