「もっと収入があれば、もっと自由になれるはず」 そう思って頑張って働いているのに、なぜか自由は遠いまま――。 そんな感覚に覚えがある人は少なくないはずです。
FIRE(経済的自立・早期リタイア)という言葉が広まるなかで、「いつか自分も」と憧れる人は増えています。ただ、実際にFIREを目指すとなると、多くの人が「自分には無理かもしれない」と感じてしまうのも事実。
でもそれは、FIRE=巨額の資産を築くものという思い込みがあるからかもしれません。 じつはFIREにはいくつか種類があり、その中でも最も身近で現実的な選択肢が「LeanFIRE(リーンファイア)」です。
LeanFIREとは、文字通り「Lean(最小限)」な支出で成立するFIREスタイルです。 豪華な生活を目指すのではなく、自分にとって「本当に必要なもの」だけにお金を使い、早期に経済的自立を達成します。
でも、「本当に必要なもの」って…自分でうまく見極められる自信がないんですよね。なんでも「必要」って思っちゃいそうで…
最初はそれで大丈夫じゃ。実際に支出を見える化してみると、「これはなくても平気かも」と気づく瞬間がある。LeanFIREは、気づきの積み重ねなのじゃよ。
目指す資産額の目安は、年間支出の25倍。 たとえば月15万円の生活費で十分なら、必要資産は約4,500万円。 フルFIRE(1億円超を目指すスタイル)に比べて、ぐっと現実的です。
物価高騰、不安定な景気、将来への漠然とした不安。 それらに対して「もっと稼ぐ」ではなく、「少なくても生きていける力をつける」という発想は、これからの時代にフィットしています。
特に20代〜30代の若手世代にとっては、「消費=正義」だった時代とは価値観が変わりつつあります。 LeanFIREは単なる節約術ではなく、“足るを知る”生き方をベースに、時間と心の余裕を取り戻す選択肢なのです。
LeanFIREを目指すために、押さえておきたい5つのステップを紹介します。
まずは「毎月、何にいくら使っているのか?」を把握するところから。 家計簿アプリでもスプレッドシートでもいいので、ざっくりカテゴリ分けしてみましょう。
この「現状認識」が、LeanFIREへの第一歩です。
次に、自分が本当に満足できる生活水準を考えます。 「月に20万円あれば幸せに暮らせる」と思えば、それがあなたのLeanFIRE基準。
ポイントは「無理に切り詰めすぎないこと」。 LeanFIREは我慢大会ではなく、「本当に必要なもの」を見極めてちょうどいい暮らしを探求していくことが達成のコツです。
いま月25〜30万円くらい使ってる自分が、どうやって20万円で満足できるようになるんですか?無理な気がします…
最初から完璧に20万円に収める必要はない。まずは「これはなくてもいい出費」を1つずつ減らして、少しずつ心地よい水準を探せばよいのじゃ。LeanFIREは競争ではなく、探求なのじゃよ。
FIRE計算の基本式は以下のとおりです:
LeanFIRE必要資産 = 年間支出 × 25
たとえば月15万円で暮らすなら:
15万円 × 12ヶ月 × 25 = 4,500万円
「今からでも届きそう」と感じられる金額が、モチベーションを支えてくれます。
でも…月15万円の生活って、かなりハードル高くないですか?地方移住とか必要ですか?
たしかに都市部での15万円生活は難しいかもしれん。だが「LeanFIRE=極限節約」ではないのじゃ。自分にとっての“ちょうどよさ”を見つければ、都心でもLean寄りな暮らしは可能じゃよ。
LeanFIREの実現には、支出のコントロールと収入の“安定性” がセットで必要です。
LeanFIREを達成しても、働くことを完全にやめるわけではありません。
「稼がなくても生きていける状態」で、人生の主導権を自分に戻す。 それがLeanFIREの本質です。
LeanFIREは「極貧生活」ではありません。 むしろ、無駄な浪費をやめることで、本当に大切なものにお金と時間を使えるようになります。
ただし、以下のような注意点も。
LeanFIREは、お金が“たくさん”ある状態ではなく、 「自分にとって十分」な状態を作る生き方です。
そんなLeanFIREの世界を、ちょっとだけのぞいてみませんか? その先にあるのは、 「お金のために働く人生」からの卒業かもしれません。