「FIREを目指している」と聞くと、どんなイメージが浮かぶでしょうか?
そんなふうに思ってしまうのは、ごく自然な感覚です。かつての私もそうでした。
でも本当に、FIREを目指すって“我慢の人生”なんでしょうか?
もしそうなら、多くの人がFIREを目指すことにこんなに魅力を感じるはずがありません。
実はFIREとは 「本当に価値のあるものを選び取る技術」 に近いもの。
決して「楽しみをすべて捨てろ」という話ではありません。むしろ、自分らしい楽しみを残しつつ、余計な浪費を削ぎ落とすという、軽やかな生き方へのシフトなんです。
この記事では、FIREを目指す上でありがちな「犠牲」という誤解をほどきながら、今の暮らしと未来の自由、両方を大切にする方法を考えていきます。
多くの人がFIREに対して「大きな我慢が必要」と感じてしまうのは、次のような情報に触れているからかもしれません:
たしかに、こうした実践は“極端なFIRE”の一形態ではあります。でもそれが唯一の正解ではありません。
FIREは本来、「こう生きたい」という自分の価値観に基づいて、お金の使い方・稼ぎ方・時間の使い方を見直すプロセスです。
本当に大切なものにお金とエネルギーを集中させ、不要な出費や義務から少しずつ解放されるという、むしろポジティブな選択なんです。
でも僕みたいに、趣味も外食も旅行も捨てたくない場合、FIREはやっぱり無理なんでしょうか……?
捨てる必要はないんじゃ。むしろ、自分にとって「何が本当に大事か?」を見極めることこそがFIREの本質。楽しみを全部やめるんじゃなくて、「優先順位をつけて選ぶ力」を養うことが第一歩じゃよ。
たとえば、週末の友人との外食。
これを「ムダだから削る」と考えるのは苦しい道ですが、逆にこう考えたらどうでしょう?
「これは自分にとって大事な時間だから、ここにはお金を使ってOK。代わりに、使ってないサブスクや衝動買いを減らそう。」
このように、“使わない”のではなく“選ぶ”という意識に変えることで、FIREのための支出管理はずっと楽になります。
「価値ある楽しみは残す。無意識の浪費は減らす。」
これだけで、毎月のキャッシュフローは大きく改善されます。
でも「何が無意識の浪費か」って、気づくのが意外と難しいんですよね…。どうやって見つければいいんでしょうか?
良い質問じゃ。まずは、家計簿アプリやクレカの履歴を眺めてみるといい。1ヶ月の支出を3つに分類するんじゃ。「生活に必要」「自分を幸せにする」「よくわからない出費」——この“よくわからない”が、無意識の浪費の正体じゃ。
FIREのゴールは、「仕事をやめること」ではありません。
本質は、自分の時間を自分でコントロールできるようになることにあります。
こうした状態を手に入れるには、未来の自由だけを見て突っ走るのではなく、いまの生活も見直して「心地よいミニFIRE状態」を積み上げていくことが近道です。
“ミニFIRE状態”ってなんですか? 本格的なFIREを目指す前段階ってことですか?
その通りじゃ。たとえば「生活費の一部を副収入でまかなえている」とか「週1だけ仕事を休める働き方ができている」といった、小さな自由の積み重ねが“ミニFIRE”じゃ。これを意識することで、FIREはぐっと身近になるぞ。
では、何から始めればいいか?
こうした小さな実践が、FIREへの道をつくっていきます。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、“自分が心地いい状態”を探りながら調整していくことです。
FIREは、「未来のためにいまを我慢する」という考え方ではなく、 「いまの選び方を変えることで、未来に自由を生み出す」 という考え方です。
無理なく、だけどちょっと勇気を出して、
自分の毎日に少しずつ「自由」の種を植えていくこと。
それが、FIREを目指すうえで本当に大切な姿勢だと思っています。
「いまを犠牲にしないFIRE」は、確かに存在します。
そしてそれは、すでに今日から始められる道でもあります。